イランの織物
NHK BS番組『世界遺産 時を刻む』で観たイラン南部の伝統的な織物ギャッベ。詳しく知りたいと思っていたので録画を2回続けて観たのですが、いろいろ驚きました。
1. 遊牧民カシュガイの人々が宿営テントの傍らに常設してある織り機で、屋外で1本1本、手で編むということ。真ん中に写っているのが一家族が暮らすテント。その手前には家畜が囲われ、2人の女性がテント脇の織り機に向うところ↓。雨は殆ど降らないので織り機は出しっぱなしにできる・・・雨も水道もない暮らし。
2. 織る人は女性に限られる。男性は一日中放牧に出かけるため、重たい水汲みも女性の仕事。遊牧民の女性はヤギの乳搾りからチーズ作りから、織物と、あれもこれもやる。写真は姉妹で一緒に織っているシーン↓。衣装があでやかなのにもびっくり。
3. 今は少なくなってきているけど、伝統的なギャッベは草木染め。茜系の植物の根から、こんなに微妙なグラデュエーションが。
4. 絨毯は、土けぶり舞う場所で広げられ、買い取られていたことも、驚き。さらに、本来のギャッベは、文様も色合いも大きさも、全ては織り手が自由に織りながら決めるというのは、もっと驚き。1日数センチずつ家事の合間に織りながら、家計の足しにするのだそうです。
絨毯商人さんが、日本や欧州でギャッベの人気が出ている理由をこんなふうにおっしゃってました。
理由はともかく、人って、人の手ってすごい!と感激してやまない番組でした。
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