ぼくのいえ
ぼくがこの家に来て約ひと月がたった。オカアサンとオトウサンから少しずつしつけられておりこうになっているけど、ケージの中で決まった場所におしっこをするのが苦手だ。そこで工作上手なオトウサンはインターネットでいろんなことを調べて、ケージの中にぼくの新しい寝床をつくってくれた。ケージの中を少しでも広く使えるように、水飲み用の新しい器具も取り付けてくれたみたいだ。そんなぼくのいえというのはこんなふう。
ぼくが今座っているほうがトイレ。反対側に段ボールとプラスチックのトレイで寝床ができている。オカアサンがインターネットで買物をしたときの段ボールがちょうどぴったりの大きさだったんだ。
狭い場所で、四方を壁で囲まれていたほうが落ち着くというぼくの習性をオトウサンが調べてこんなふうになった。とても落ち着くのでトイレと寝床を今度こそ区別できそうだ。完全に区別できたら、寝床に高級なクッションを敷いてくれるってさ。
真っ四角じゃつまらないから、ぼくは段ボールを噛んで、廃墟風に寝床の壁をデザインしてみた。自然な穴ぐら風でいいだろ?
ケージの前でオトウサンにアイコンタクトの訓練をされているところ。ユウと呼ばれたらオトウサンの目を見ないと、褒美がもらえない。目の前に見せられたフードばかりが気になるから、まだチラ見しかできなくて、横からオカアサンに笑われる。
もうそろそろワクチンをうってもらって、外を歩けるらしい。これからどんな冒険が待ってるんだろうな。
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