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2009年07月14日

理解という名の愛

図書館に返却する前に、読書感メモ。著者、山田ズーニーさんの本、『理解という名の愛がほしい』を読みました。きっかけは、ルーコすずきさんのブログの記事。文章とか表現に興味があるので、人を惹きつける文章とは?という命題に関心を持ちました。図書館で著者検索をして未貸出だった本を2冊借りてきたのですが、本のタイトルに意外性を感じました。おとなの小論文教室に「愛」?

理解という名の愛

読んでいくとナルホド。どうしたら人を惹き付ける文章が書けるかの、ハウツーやテクニック本などでは決してなく、書くとはどういうことか、書いて何を求めているのか、人が生きるとは、書くとは・・・について筆者の経験や身の回りの事件を題材に書かれている本でした。筆者はフリーランサーとなる前に、進研ゼミで小論文編集長としてご活躍されていたとのこと。私も実は高校生のとき、進研ゼミの小論文テキストにお世話になっていたのでした。
身を切るような思いで生み出された筆者の表現の一部を引用させていただくと・・・

黙ってそばにいて、わかりあえる。
にしては、私たちは、忙しすぎる。
短い時間に凝縮して伝えあえるのは言葉だ。

黙って、わかりあえる。
にしては、私たちの距離は遠く、寒い。
離れていても近く届き、何度も反芻できるのは言葉だ。

口では言わないけど、わかってくれている。
そう信じるには、
私たちの内面はちょっと複雑だ。

(中略)

だから、仕事や、日常や、さまざまな場面で、相手に対する理解を、まず、きちんと言葉にして伝えるということは、多大な可能性を持っていると私は思う。


また、この本にはおとなの愛、こどもの愛についてもこんなふうに書かれていて、とても感じ入りました。

愛をごはんだと仮定すると、こどもは自分で稼げない。
おとなから与えてもらわなければ食えない。
与えられないとき、イラつくのは、とても自然のことだ。

(中略)

「おとな」になるっていうことは、自分に必要な愛は、自分でとってきつつ、ちゃんと自分から愛を注ぐ対象を見つけ、そこに必要な愛を注いで、細々とでも、それを、循環して続けていけるっていうことだ。おとなになるって、やっぱりすごいことなんだ!


世の中は多数の愛の循環で動いているのか~と思えてくるような一節でした。さて、私はおとなになり切れているか??



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Posted by せっせっせ at 11:46│Comments(7)
この記事へのコメント
わたしも教えてもらって、
ズーニーさん一生懸命読んでます。
(最近さぼっていますが…)

おとなすごい!
わたしはまだおとなじゃない!

うん、まだがんばれる!
Posted by masako at 2009年07月14日 15:48
いい本ですよね!
特に「愛とごはんの話」は、いつでも思い出せるくらい
何度も読み返しました。

そのほかの本も、こころに残ることが書いてあるので
おすすめです!
Posted by るーこすずき at 2009年07月14日 20:45
masakoさん、
おとなとこどもの違いをこういうふうに分けるのってすごく斬新だなぁと思いました。おとなの指標の一つとして胸に刻みたいと思います!

すずきさん、
もう読まれていたんですね。ほかの本も?
著者をご紹介いただきありがとうございました。
もう一冊、「17歳は2回くる」を今読んでいます。
あとあと心に残る本との出会い・・・貴重です。
Posted by せっせっせせっせっせ at 2009年07月15日 09:07
boo-logに読書ブログはあるのかなぁ?と検索していて、この記事を見つけました。
読んだ本を記録していきたいな、と思っているのですが。
私はガーッと悩んでいた頃、山田ズーニーさんの本をむさぶるように読みました。
『おとなの小論文教室』『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『考えるシート』を2~3回ずつ読みました。
文章の書き方というより、自分自身とどう向き合うかをつきつめて考えるように導かれたように感じました。
少しずつ頭の中が整理されていったのを覚えたいます。

『理解という名の愛がほしい』『17歳は2回来る』も読んでみよう。
Posted by うー at 2009年08月15日 21:27
うーさん、
過去のいろんな記事を見てくれてどうもありがとうございます。私も読んだ本のどこが自分に響いたのかという記録を残していきたいと思って、ブログを利用しました。
山田ズーニーさんの本、うーさんも読まれたんですね。それぞれ2~3回ずつ読みたくなるの、分かります。
ちょうど、それぞれが読んだズーニーさんの本が違うようで、私はうーさんの読んだ3冊をまだ読んでいません。
Posted by せっせっせせっせっせ at 2009年08月15日 21:58
今度から映画や読んだ本のこと、書いていこう。わりと作者読みする方なのですが、その人の最新刊まで次々に全部読んでしまって、次読む本に飢える時期があるので、いい本いっぱい教えてくださいね。
Posted by うーうー at 2009年08月16日 11:14
この間読んだ「64歳になったら」もよかったです。同性で同世代の本を読む機会が多いですが、これは明らかに違って、あたたかさと厳しさとユーモアが入り混じった文章は読みやすかった。本カテゴリーにちらっと紹介しているのでよかったらご覧下さい。
うーさんのレポートも楽しみにしています。
Posted by せっせっせせっせっせ at 2009年08月16日 12:40
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